3.ボディメカニクス
ボディメカニクスとは、体の動きや力学などの知識を活用した技術のことで、上手に使えば、力任せにしなくても車いすを持ち上げられます。
(1)車いすを持ち上げるときに有効なボディメカニクス
両足を開いて基底面を広くする
足を前後左右に開くことで、身体が安定します。
車いすと自分の重心を近づける 重い物を持つときは、身体に近づけないと余計に重く感じます。反対に自分に近づけて持つことで、不思議と軽く持ち上げられます。
できるだけ大きな筋肉を使う
腕の筋肉で持ち上げようとしないで、太ももの前側の大きな筋肉(大腿四頭筋)を使うようにします。
自分の重心を上下に移動する
背筋を伸ばし、膝の屈伸を使って自分の重心移動をすることで持ち上げます。
(2)車いすを持ち上げるには
- 足を開いて膝を曲げてしゃがみ、
- 車いすを抱きかかえるように深く持って、
- 前かがみにならないように、背筋を伸ばした姿勢を保ちながら立ち上がります。
MEMO
車いすの大きさや構造などで、スロープや車載の固定ベルトの設備がどうしても対応できない場合は、乗車を遠慮していただくことがあります。
その際は、他の手段を提案したり、理由を説明して、理解を得るよう努めることが大切です。